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JAPAN ACH STUDY GROUP 日本ランゲルハンス細胞組織球症研究グループ

本サイトは、LCHの患者さんやご家族の方々と医師との意見・情報交換の場です。

LCH-12

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2002年から行われたJLSG-02研究では、小児の多臓器型および多発骨型LCHの無イベント生存率は向上したが(多臓器型リスク臓器陽性46%、多臓器型リスク臓器陰性70%、多発骨型67%)、依然として再発率は高かった(導入A反応例の増悪・再発率:それぞれ42%、25%、28%)(Morimoto A, 2016; Morimoto A, 2018)。この結果を受けて、小児LCHの再発率の低下を目指し、2012年から日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)により開始された小児LCHに対する日本で3つ目の多施設共同プロトコール研究がLCH-12である(Morimoto A, 2023)。

JLSG-96/-02の基本骨格を継承し、6週間の導入Aに続く24週間の早期維持相をビンクリスチン(VCR)で強化した。多臓器型はJLSG-02と同様に早期維持相に続き後期維持相24週間を行い計54週間、多発骨型はJLSG-96に倣い後期維持相は行わず計30週間の治療とした。導入Aに反応せず不変の多臓器型に対してのみ、導入Bと維持Bを設定した。

2012年6月~2017年11月に新規に組織学的にLCHと診断された20歳未満の患者が登録され、多臓器型107例、多発骨型43例が解析対象となった。

多臓器型の治療成績

107例のうち、リスク臓器(造血器、肝、脾or肺)浸潤陽性(RO+)が62例、リスク臓器浸潤陰性(RO-)が45例であった。107例のうち89例(83%)が導入Aに反応し、初期反応率(6週時点)はJLSG-02(84%)と同等であった。RO+群とRO-群に分けてみても、RO-群は56/62例(90%)、RO+群では33/45例(73%)とJLSG-02(それぞれ94%、76%)と差はなかった。

3年の全生存率は、RO-群が100%、RO+群が97.7%(95%CI 84.9-99.7)で両群に差はなく、JLSG-02(それぞれ、100%と91.7%)と同様に良好であった(Fig1)。3年の無イベント生存率は、RO-群が66.1%(95%CI 52.9-76.4)、RO+群が51.1%(95%CI 35.8-64.5)とJLSG-02(それぞれ67.4%、43.1%)と比べ差はなかった(それぞれp=891、p=0.409)(Fig2)。

導入Aの反応性に関与する因子として、造血器浸潤、肝浸潤、Disease Activity Score(DAS)⟩6、全生存率に関与する因子として、造血器浸潤、脾浸潤、DAS⟩6、無イベント生存率に関与する因子として、診断時年齢<2歳、造血器浸潤肝浸潤、DAS>6が有意であった。

Grade 5の有害事象として、導入A相で敗血症のため1例が死亡した。

多発骨型

43例のうち41例(95%)が導入Aに反応し、29例(67%)は最終観察時点まで再発なく経過した。死亡例はなく5年のOSは100%で。5年の無イベント生存率は67.4%(95%CI 51.2-79.2)で、JLSG-02(73.2%)と差はなかった(p=0.847)(Fig3)。

結果の総括

多臓器型のリスク臓器浸潤陽性型、陰性型、多発骨型ともに、JLSG-02の成績は再現されたが、VCRによる早期維持相の強化で治療成績の改善は得られなかった。

造血器浸潤のある例やDAS⟩6の例に対しては、新たな治療戦略が必要と考えられた。

文献

  1. Morimoto A, Shioda Y, Imamura T, Kudo K, Kawaguchi H, Sakashita K, Yasui M, Koga Y, Kobayashi R, Ishii E, Fujimoto J, Horibe K, Bessho F, Tsunematsu Y, Imashuku S. Intensified and prolonged therapy comprising cytarabine, vincristine and prednisolone improves outcome in patients with multisystem Langerhans cell histiocytosis: results of the Japan Langerhans Cell Histiocytosis Study Group-02 Protocol Study. Int J Hematol. 2016; 104: 99-109.
  2. Morimoto A, Shioda Y, Imamura T, Kudo K, Kitoh T, Kawaguchi H, Goto H, Kosaka Y, Tsunematsu Y, Imashuku S; Japan LCH Study Group. Intensification of induction therapy and prolongation of maintenance therapy did not improve the outcome of pediatric Langerhans cell histiocytosis with single-system multifocal bone lesions: results of the Japan Langerhans Cell Histiocytosis Study Group-02 Protocol Study. Int J Hematol. 2018; 108: 192-198.
  3. Morimoto A, Shioda Y, Kudo K, Kanegane H, Imamura T, Koh K, Kosaka Y, Yuza Y, Nakazawa A, Saito AM, Watanabe T, Nakazawa Y. Intensification of treatment with vinca alkaloid does not improve outcomes in pediatric patients with Langerhans cell histiocytosis: results from the JPLSG LCH-12 study. Int J Hematol. 2023; 118: 107-118.