1)「肺LCHに対する肺移植:多施設解析」
Lung transplantation for pulmonary langerhans'
cell histiocytosis: a multicenter analysis.
Dauriat G et al. Transplantation. 2006 Mar;81(5):746-750. |
[背景】肺移植は、進行した肺LCH例に対する治療選択肢の一つかもしれない。しかし、どのような症例に肺移植をするのか、またその転帰はどうかについては、ほとんど知られていない。【方法】フランスの7施設において行われた39例の末期の肺LCHに対する肺移植ついて、質問用紙による後方視的な多施設解析を行った。【結果】39例のうち、15例は片肺移植、15例は両肺移植、9例は心肺移植を受けていた。評価時点で、31%の症例で肺外病変があり、92%に肺高血圧(PAPm>25
mm Hg)が、72.5%に中等から重度の肺高血圧(PAPm> or =35 mm Hg)がみられた。生存率は、1年時点で76.9%、2年時点で63.6%、5年時点で57.2%、10年時点で53.7%であった。病変の再燃が8例(20.5%)にみられたが、生存率には影響しなかった。再燃の唯一の危険因子は、移植前の肺外病変の有無であった。【結論】重度の肺高血圧は、末期の肺LCH症例によく見られる症状である。肺移植後の再燃率は約20%あるが、移植後の生存率は良好であり、肺移植は末期の肺LCH例に対し治療選択肢の一つである。 |
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2)「小児LCHにおける口腔内病変:8例の臨床および病理学的検討」
Oral manifestations of langerhans cell histiocytosis
in a pediatric population: a clinical and histological
study of 8 patients.
Mortellaro C et al. J Craniofac Surg. 2006 May;17(3):552-556.
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LCHは、原因不明のまれな疾患で多様な病像を呈し、単発または多発の骨溶解病変や軟部組織病変が臨床的な特徴である。口腔内病変は、全身的な症状に先行し出現することや、感染症や炎症性疾患に類似することもある。ここで提示する口腔内病変を伴った8例の小児LCHのうち4例では、口腔内病変がLCHの極初期症状であった。診断確定と再燃が臨床的に疑われる例の確認のために、注意深い臨床検査と適切な組織学的検討が必要である。免疫組織化学検査は、信頼性できる補助的な組織学的検査であり、それにより全例において診断確定が可能であった。 |
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